「2001年中国短期留学」ウェブサイト構築記

サーバ担当 iso

目次

第一章 「2001年中国短期留学」ウェブサイト構築記
第二章 PHPを利用したデーターベース連携ウェブサイトの構築(未稿)
第三章 複数ユーザによる写真登録・公開システムの設計と製作(未稿)

 

第一章 「2001年中国短期留学」ウェブサイト構築記 (2002/7/11)

1、サイト設立のいきさつ

中国短期留学に参加した僕は、カメラをもっていかなかった。しかし思った以上に楽しい旅になり、その記録をやはり手元にのこしておきたいという思いがだんだんと募り、そこでみんなの写真を共有するプロジェクトを立ち上げようと思った。共有の方法としては、参加者の所属する集団の特性上、やはりWebしかないだろう。しかも僕はそれまでバイトなどでWebでの対話的なサイトの構築にかかわったことがあるのでやりやすい。この計画は中国にいる間に発案して、中国で着々と構想を練っていった。

2、ウェブサイトに要求される仕様

つぎに中国国内で構想を練った、ウェブサイトに対する要求を述べる。

(1)全員の写真を一箇所にあつめる。人数と撮影の頻度から考えるに、写真はおそらく3000枚くらいになるだろう。
(2)デジカメと35mmフィルム撮影は半々ぐらいだろう。後者のスキャニングは膨大な手間を要すると思われる。
(3)以上のように膨大なシステムになるため、一箇所で集中作業するのは得策ではなく、分散作業していく設計にするのがよい。そのためにはデーターベースソフトを利用して写真データや、作業する人のデータを管理して、円滑に共同作業できるようにする。
(4)写真の枚数が膨大なので、見るためには情報を整理しておかなければならない。よって写真データには内容に関するデータを不可し、検索できるようにする。
(5)写真以外のコンテンツも含めたサイトにする。

これらの方針に基づき、旅行中に主に方向性についての議論を行った。

3、具体的なウェブサイトの計画

東京にもどり即日具体的な計画についての検討をはじめた。ここで決定されたシステムの内容について述べる。

 
図1、東京での作業風景(写真番号699

(1)利用する環境
われわれの利用可能かつ製作の容易さを考え、UNIXベースのサーバ環境を利用することとなった。WebサーバにApache、開発言語環境としてPHP4、データーベースサーバとして、フリーソフトであるPostgreSQLを採用した。

(2)コンテンツ構成
写真のほかに、中国短期留学の説明、みんなの旅行記、隊員紹介などのコンテンツを含めることが決定。各企画ごとに担当者を決めた。担当者が原稿の取りまとめなどを行う。(構成は実際のサイトを参照)

(3)デザイン
全ページ共通の視覚的なデザインを統一する。また、なるべく多種の環境で見れることを目指すが、写真の閲覧を目的とするため、文字のみのブラウザや携帯電話などは対象外とする。JavaScriptは使用するが、利用できない環境においてもナビゲートはできるようにあくまで視覚的な効果のみを使用する。論理的なデザインとしては、最上層のメニューにはそれぞれタイトル画像をつくり、それより下のメニューはそのタイトル画像を踏襲する。また全ページで共通するログイン機構を用意する。

4、製作の実際

ここでは実際の製作の様子について述べる。

 まずはページの雛型となるトップページを作った。これは画像を作るソフトウェアで、直感的にデザインをしたものをリンクや文章の挿入位置などを考慮して自動的にHTMLと複数のイメージファイルに分割する機能(スライス)を利用した。また、これより全ページに共通するデザインの雛型をつくった。また最上層メニューごとにメニュータイトル画像も同様に用意した。(これらの作業は主に筆者と溝渕さんによって行われた。)

 各ドキュメントのうち隊員に書いてもらうものについて執筆の割り振りと依頼が行われた。旅行記の取りまとめは岩城隊長、事件簿については梶内さんがおこなった。その内容や編集もお願いした。

 写真館の写真管理システムと、ログインシステムをphpとPostgreSQLで作った。写真管理システムは最低限の機能から運用をはじめて、だんだんと機能増強していった。詳しくは第二章第三章を参照。プログラムは主に筆者が担当した。

 写真管理システムのプログラミングと並行して、写真の提供の呼びかけと入力をおこなっていった。
 写真の回収は飲み会などを利用して行った。デジタルのものはCD-Rまたはネットワークコピーで提供された。アナログのものは、プリントを借り受け、スキャニングした。スキャニング作業は筆者の家で岩城さん、大城さん、梶内さんなどさまざまな人が、花泉さんの家で花泉さんが行った。全部で1000枚ぐらいは会ったと思われる。
 写真データはすべて色調補正とシャープをかけて、横幅が550ピクセルぐらいになるようにサイズ変更した。また同様に150ピクセル程度のサムネイル用画像を作った。これらの作業は主に大城さんによって、画像処理ソフトで連続処理された。写真の総サイズは数百メガバイトになった。
 製作された写真は、最初は1枚ずつ製作したHttpベースのアップロードシステムによりアップロードしていったが、もともとこれは各個人が自分で写真をアップロードできるように設計したものであって時間がかかるので、取りまとめてのアップロードには向かない。そこで大量処理用としてFTPでファイルをアップロ−ドしてコマンドラインでデーターベースに一括登録するプログラムを製作した。これにより1時間かかった作業は3秒でできるようになった。(ただし取り扱いには十分注意を要する。) アップロード作業は、梶内さん、大城さん、岩城さん、筆者が主に行った。
 アップされた写真は逐次写真の撮影者に連絡して、情報の入力をお願いした。ただし本稿執筆時点においていまだ半数ほどの写真がデータ入力されていない。
 このように写真の処理にあたっては複数の人により円滑に行われた。写真の登録やデータ入力などの一連の作業を、製作したログインシステムと権限管理機構によって行ったため、特に一人ずつの負担は多くなかった。

5、総括

現在までに先生へのインタビューなど未完成のコンテンツもあるが、おおかた予定していた姿になっている。製作に利用した技術や、設計としては一応、工学を学ぶ大学生としては標準的なレベルに達しているのではないかと思う。また、複数の人間によって進めるプロジェクトを体験できたということで、主にクリエイティブな仕事における意思決定プロセスや、設計方法の面で勉強になった。ただ、製品としての完成度という点では、至らない点が感じられた。

第二章 「PHPを利用したデーターベース連携ウェブサイトの構築」(未稿)へ→

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